「他のお店ではないような、綺麗で新鮮な生け花を一人でも多くのお客様に楽しんでいただきたい。」
「アレンジメントは定番なデザインから意外性のある個性的なものまでなんでもお任せください。」
「花屋」としての熱い想いを持つ店長「山崎 晋吾」が「フラワーショップ 山崎家」のコンセプトやこれまでのエピソードをインタビュー形式で語ります。
–店内きれいですが、いつ頃オープンされたのでしょう?
ここに移転してからは5年になります。その前は、15年前に少し離れたところでお店をしていました。
–移転されたことで駅に近くなりましたが、駅に近くなって良かったことやお客様層は変わられたりしましたか?
通りがかりでお店を知っていただく機会が増えたかと思います。また、建物が新しく、お洒落っぽくなったのでギフトをご注文されるお客様がものすごく増えましたね。
フラワーショップ山崎家
代表 山崎 晋吾
–ギフトというのは、お客様はどんなタイミングで頼まれるのですか?
結婚記念日、お誕生日、お悔み、開店、開業、送別、発表会など、タイミングはその方によってさまざまです。
–リピートのお客様が多いと伺ったのですが、その理由はなんでしょうか?
一番は花持ち。めちゃくちゃ花持ちがいいとよく言われます。「お宅で買った花はほんとにもつね」という風なことはよく言われます。「お値段が安いのにもつよね」も言われますし。「普段使いじゃなくて誰かに渡したい時、おたくの花あげたら間違いないから」と言われたときはうれしかったです。普段はスーパーで仏花とか買うんですけど、誰かにあげたいって時に利用していただけるみたいです。
–では山崎家を好きになってもらう為にオーナーが気をつけていることはありますか?
一番は花の鮮度。あとは種類の豊富さ、あとは産地のこだわり。例えばなんですが、都会の花屋さんやホテルの花屋さんで高い値段で売っているお花って産地が良くて物もいいんです。うちのこだわりはそれにも負けない品質のものを仕入れるようにしています。その上で売価は半値近くの金額で売っていると思うんですよ。「いいお花を安く」っていうのをものすごく神経つかっています。
–「いいお花を安く」でご提供する考えに至ったのはなぜでしょう?
一つは、気軽に花を飾ってほしいですよね。なかなかお花を飾る家庭って多くはないと思うんです。最近でこそSNS映えのために飾る方もいるみたいですが。ほとんどの方がお花を飾ることに対するイメージって、「高い」とか「すぐに枯れる」とかだと思うんです。そこを覆したい。という気持ちからです。
–では、そもそものお話をお聞きしたいのですが、オーナーはなぜ花屋さんになろうと思ったんですか?
はじめはお花に興味はありませんでした。(笑)でも、高校生の時に花屋さんでアルバイトをし始めて。そして高校3年生の時、これからの自分の進路を真剣に考え始めて。そのころにはお花の魅力にはまっていたので、迷うことなくこの道を選びました。
–花屋さんの面白い点というのはどんなところでしょうか?
一番は仕入れ。仕入れはギャンブルですからね。いつのタイミングで買うかとか、お花の相場はものすごく変わるんですよ。野菜とか魚とかと違って、一日買うタイミングが違えば値段が倍になっていることもあります。花は季節のものでもあるので、寒い時期に、本来市場にあるはずの花が異常に少なくなったり。。でも、花屋としては、「その季節の花がお店に置いてない」ということはできないので、みんな買いたがる。その結果、値段が高くなる。ということはよくあります。その年の気候の変化で年中こんなことが起こります。怖いんですけどそこを上手いこと読んで、うまく仕入れできた時は快感ですね。
あとは、その場でお客さんの笑顔を見れること。お花という商品の実物を渡すのでその場でわかるんです。結局お客さんは自分の頭の中のイメージを僕らに伝えます。それをどこまで読み取れるか、どこまで解釈できるか。作ったものが「あ、ピッタリや」「自分の想像してた以上のものができた」て言って喜んでくれる方もいらっしゃいます。お客さんが持たれているイメージにどれだけ近づけるか、もしくはそれをどこまで超えることができるか、それがやってて楽しいですね。
–お店をやっていてうまくいったことうまくいかなかったことで一番印象に残っていることはなんですか?
お店一番最初オープンした時25歳だったんですよ。お客さんからしたら「こんな若いやつになにができんねん」的な感じでみますよね。ですから、お店やって3年目ぐらいの時に来てくれたお客さんが、「すぐ潰れると思たと、正直、何できんねんて思ってたけど、3年経ったから買いにきてやった」て言われたことがあったんですよ。
–それは達成感ありますね。では、あったまるエピソードも教えていただけますか?
初めて来る方ってうちがどんなお店で、どんなお花を作るか、わからないので、「あれ入れてとかこれ入れて」とおっしゃる方もいるんですけど、一度作ったら、次回以降お任せになりますね。喜んでいただいて、次からは「あなたのセンスにお任せします。いいもの作ってくれるってわかったんで」ていうお客さんがうちはすごく多いと感じます。
–具体的なこだわりの強い方が次からお任せになったエピソードを1つお願いします。
お誕生日のプレゼントを買われた方がいて、あげる方が、「個性的な人なんです。お洒落な感じで個性的な花束を作ってほしいんやけども、あなただったらどんなお花選ぶ?」て感じで試されましたね。そこで、お洒落な感じってどういう雰囲気のものをその方が求めているかを聞いて。その方が求めてそうな雰囲気のお花を選んで、作って、結果、むちゃくちゃ喜んでくれて。要は、パッと花選ぶじゃないですか、選んだ時のパッと見と僕が組んで制作した時の変化をみて「そんな組み方をしてくれんねや」みたいな感じのことを言われて。自分が最初選んだ花を見た時に自分が感じた雰囲気と、僕が組んだ時の雰囲気がまた違ったとは思うんですけど、ものすごくいい感じに組んでもらった、喜んでもらったという感じです。
–お客様との関係性がとてもよく、愛されるお店なんだなと感じますが、花屋辞めようかなと思ったことは一回もないですか?
無いですね。仕事が楽しかったし、たぶん仕事好きやと思います。僕は見せたがりやと思うんですよ。スタッフにもそうですし、お客さんに対しては特にそうです。「こんな綺麗な色のバラはそうそうないですよ」って見たことないような花を見せたいって気持ちを常に持ってますね。自分の思い描いたとおりに、このお客さん今週来るんちゃうかな思って、この花仕入れとこって考えることもいっぱいあります。僕の仕入れ方は一つの花買ったらその花に対して何が合うか、常に考えながら仕入れるんですよ。例えばピンクのバラ買いましたってなったら、このピンクのバラにはどんな花があう、例えば注文でピンク系の花作ってっていうな注文がきたらこの花とこの花とこの花を合わせたら綺麗になるよねって、ピンク、紫系の花つくってて注文入るかもしれんから紫系の花買おうとか、花買ったらそれに何を合わせて作ろうかと常に考えながらバーッと仕入れるんですよ。それ考えるのがむちゃくちゃ楽しいんですよ。
–ありがとうございます。では最後に、一言でいうと山崎家ってどういうお店ですか?
一言で言うとアットホーム。常にお客さんのことを考えてます。どこもそうだとは思うんですけど、お客さんのことを考えて、季節を大切に、たくさんの種類をご用意して・・・。全部数えたら常に100種類は超えると思います。(笑)